■「有頂天家族」 ☆☆☆☆ 幻冬舎 森見登美彦著
会社の人から「森見さんの本は面白い」と勧められて、著者の数ある本の中からタイトルだけで選んだ本。現代京都を舞台に、狸の主人公一家と、天狗族と、人間族が織りなすドタバタ劇を描いたSF奇想天外小説です。ごくたまーに、ご都合主義すぎる部分がありますが、全体の舞台設定や構成がよくできているので、著者の作り上げた幻想世界を安心して遊ぶことができました。
また、場面の空気を表すために時おり使われる言葉のセンスが素晴らしく、153ページの「酒に落ちた角砂糖のようにだらしなく崩れゆく宴席」や、299ページの「時間は水飴が垂れるようにゆっくりと、だが確実に流れてゆく。」などは特に、とても素敵なコピーだと思いました。
しかし、これだけ冷静に娯楽作をきちんと仕上げておきながら、著者はまだ20代後半なんですよね~。・・・すごいです。
また、過去と現代をつなぐ70年代生まれの著者らしく、小道具にわざわざ「電気ブラン」や「赤玉ポートワイン」という「昭和前期の香り」を持ってくるところも通だなぁ、と思いました。
なにはともあれ、そろそろオモシロイ本が読みたいぞ~!という方に。
■「星新一ショートショートセレクション ねらわれた星」 ☆☆☆☆ 理論社 星新一著
ちょっと前にNHKでやってた彼のドラマ版ショートショートに刺激されて呼んだ本。彼の本は学生時代にちょっと読んだだけでしたが、久しぶりに読んでみて、改めてそのうまさに感服しました。彼の起承転結技術の巧みさを野球に例えるならば(←禁じ手ですがw)イチローなみです。ちょっとドロボーネタが多いですが・・・。
そしてこのセレクションの中で一押しなのは、オープニングタイトルの「おーい でてこーい」。SFというオブラートをまといながら、見事に今の黙示録的世界を暗示しています。まだ環境問題が深刻化していなかった時代の彼が、何故こんな未来を的確に予知しえたのでしょうか。それを思うにつけ、いかに彼が資本主義社会の本質を見抜いていたかに驚かされ、身震いしました。いやマジで、怖いです・・・。
奇抜なつかみで読み手を引きつけ、ヒトの本質をついたオチでグサリと刺す。1話わずか十数分の、脳内トリップをお楽しみください。
■「金持ち父さん 貧乏父さん」 ☆☆☆☆☆ 著者:ロバート・キヨサキ&シャロン・レクター
給料のために嫌いな職場でひいひいと働き、ローンの返済でがんじがらめになりながら一生を暮らす。そんな生活(著者は「ラット・レース(ネズミの競争)」と言う)からフツーの人が抜け出すための手がかりを教えてくれる本です。
この本の素晴らしいところは、資産と負債の違いをきめて直観的に、誰にでも分かるカタチで説明してくれていること。彼の考えによると、それ自らが家計に収入をもたらすものだけが「資産」であって、それ以外は「負債」だと。つまりいくらマンションをもっていても、そのローンを返すために死ぬまで頑張らなければいけないとしたら、それは負債なのです。
うーん、分かりやすい・・・。そして「ラット・レース」に巻き込まれずに生きるために大事なことは、いつ給与が打ち切られても、生活が困らないような資産を形成しておくことだそうで。
親も年をとり子も育ち、負担が増すばかりの今日この頃ではありますが、「家庭菜園をやる」ぐらいの軽い気持ちで、まずは小遣い程度から資産形成をはじめてみよう!と思った次第でございます。
■「パラダイス鎖国」 ☆☆☆☆ 著者:海部美知
なんか最近、日本って国内でまとまりすぎてない?という私の疑問に真正面から答えてくれている本。本の記述からは離れますが、分かりやすく言うと最近、日本のすべてが「Jリーグ化」してるんですよね。国内のサポーターだけで商売が成り立っちゃうから、世界に向けて何も発信せずに、日本の中でのレベルで満足しちゃう・・・。みたいな。この本では、そうこうしているうちに世界から取り残されてしまった日本のケータイや家電業界などの事例を手掛かりに、「パラダイス鎖国」と化してしまった現代日本を凋落から救うための指針を示しています。
著者はこれからの日本に必要なのは「軽やかなグローバル化」と言ってますが、まさにその通り。
今までの日本人が考えてきたグローバルは、とにかく「何もないように」その場を取り繕ろうとする「洞爺湖サミット」式だったんですよね。でもこれからは、一緒に「何かを起こす」ために物おじせず、前のめりにどんどん人脈を広げてゆくスタイルがイケている、ということになるのではないかと思いました。
・・・しかし余談になりますが、なぜ北京五輪で日本の男子サッカーは、実力に勝る相手と戦うと分かっていてオーバーエイジ枠を使わなかったのでしょうか。そしてなぜそれを、マスコミは普通にやりすごしていたのでしょうか?監督のコメントを聞いてもよく分からず・・・。これもまた、「パラダイス鎖国」の一場面であります(哀)。
昨晩新聞の訃報欄を見るまでは、彼や「最後の授業」の存在は全く知らなかったのですが、気になってユーチューブで見てみました。
最後の授業の映像は全部で9つありますが、ソンしないこと間違いなし。このブログにぶち当たったが運のつきだと思って、時間のあるときに左の画像をクリックして、ぜひご覧ください。
彼のように生きられたら本望だよな~。
2008年に入って以降、観た映画の感想です。なんとなく、あんまり観なくなったなぁ~…
■「モンテーニュ通りのカフェ」 ☆☆☆☆☆ 監督:ダニエル・トンプソン
タイトル通りのカフェを舞台にした群像劇。セリフがとにかくイイ!ストーリーは別にすごいことが起こるわけではないんですが、セリフと俳優のマッチングが完璧で、ただそれだけで何度も観たくなり、人生が愛おしくなる映画です。先日パリに行った際、映画の舞台となったカフェを探してみたのですが気づかず、どうやら素通りしてしまったようです。残念~!言葉フェチの人は、必見です。
■「チーム・バチスタの栄光」 ☆☆☆☆☆ 監督:中村義洋
純粋に楽しめました。外科手術のリアルな描写と、吉川晃司の演技が素晴しかったです。後に残るようなメッセージは何もないけど、面白かったという爽快感は確
実に味わえることと思
います。。前の席の人は寝てたけど・・・。よっぽど疲れていたんでしょうね!
■「陰日向に咲く」(ネタバレ注意!) ☆ 監督:平川雄一郎
途中からストーリー上に偶然が重なり過ぎてしまい、ついていけなくなってしまいました。俳優たちもみんな人気者だし、期待が大きかっただけに残念です。☆を一つにした理由は、ヒロインがお話のシメに「明日は晴れるよ」って、映画のメッセージをそのまま言っちゃったから。名匠クリント・イーストウッドの名言にこんなものがあるそうです。「観客が既に知っていることを説明するのは、観客を見くびっている、ということでしかない。」
■「アース」 ☆☆☆ 監督:アラステア・フォザーギル
映像も音楽も最高級の、いい映画だと思います。だけど同時に人々も、そろそろ環境問題について、この角度から啓蒙されることに食傷気味ではないかと思うのです(世界の窮状をまったく知らない子供達には見せるべきだと思うけど)。これからはもっとみんなが明るい気持ちで環境問題に取り組めるような、ポジティブなアイデアが必要だな、ということを考えさせてくれる映画でした。
■「バンテージ・ポイント」 ☆☆ 監督:ピート・トラヴィス
異なる視点から一つの大事件をとらえることで、のっけから人々をぐいぐい引っ張っていこう!という意図は分かります。このストーリー構成を思いついた瞬間の、脚本家の高揚感も想像できます。しかし・・・何回も同じ時間を行き来する段取りが、途中からどんどん退屈になっていってしまいました。なんか人物設定も表面的だし。う~ん、普通こういうの好きなはずなんだけど、何が足りないんだろう・・・。
■「レミーのおいしいレストラン」 ☆☆☆☆ 監督:ブラッド・バード ヤン・ピンカヴァ
わ、これ、半年前に観た映画だ・・・。いつもの「ピクサー」なノリとは少し違い、フランスを舞台にした異国情緒のフルCGが、なんだか新鮮な空気感を持つ映画でした。まぁ、ストーリーはいつもの調子なんですが。話の核となるネズミの面々がかわいいですよ。原題の英語(Ratatouille)が、さりげなく「ネズミ(Rat)」とかかっているのがうまい!と思わせてくれました。
■「ファインディング・ニモ」 ☆☆☆☆☆ 監督:アンドリュー・スタントン リー・アングリッチ
地上波オンエアを録画したものを、子供と一緒に観賞。子供がハマったために何度も観る羽目になったのですが、その分すべてにおいていかに細かく、ピクサーが頑張っているかということが分かり脱帽いたしました。「子供を育てることは、親も成長すること」というメッセージが胸にささり、もっと子供の面倒を見たくなる。そしてストーリーやキャラ設定の細部に愛が詰まっている。まさに何度見ても飽きない、いい映画です。
気がつけば久々の更新です。忘れないうちにここ2~3ヶ月で読んだ本を記録しておきます。
あ、映画もだいぶ書いてないや。何観たっけな~・・・。
■最近読んだ本1:「フェラーリと鉄瓶」 奥山清行著 ☆☆☆☆☆
まったくの日本育ちながら、GMやポルシェを渡り歩き、ピニンファリーナでエンツォ・フェラーリなどの傑作を生み出したデザイン・ディレクター「ケン・オクヤマ」による本。仕事を通じて気が付いたイタリア人の本当の姿や、日本人について思うところ、そして昨今のデザイン事情など、外国を渡り歩いてきた人ならではのデザイン論にとどまらない、広い視野の話が面白くて2時間で一気読みしてしまいました。クリエイターのあるべき姿についても分かりやすく書かれているので、妥協してしまいそうな時の心の友に。
■最近読んだ本2:「コーチング」 落合博満著 ☆☆
監督になる前の落合が書いたコーチング論。よく分かるけど、期待を上回るほどではなかったです。できることなら実際の監督として修羅場をくぐりぬけてきた、今の彼が書いたものをもう一度読んでみたいですね。表層的な目の前のことに左右されない、ベンチでの彼のたたずまいが好きなので・・・。
■最近読んだ本3:「渋滞学」 西成活裕著 ☆☆☆
渋滞を学問としてとらえた画期的な本。目の付けどころは面白く、半分ぐらいまではわくわくしながら読めました。クルマの渋滞からヒトの渋滞、アリの渋滞からインターネットの渋滞まで。読むと世界の見方が、ちょっとだけ変わります。しかしながら学問的な深みはあまりなく、今のところ「目の付けどころがいいでしょ」的な部分で止まっているので、これからこの学問がどう発展していくのか、忘れたころにまたチェックしてみようと思います。
■最近読んだ本4:「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」 ジェームズ・R・チャイルズ著 ☆☆☆☆
スリーマイル島の原発事故やチャレンジャー号の墜落など、巨大なマシンが引き起こした大惨事の裏側にあった「人間たちのささいな誤り」を検証することで、それを防ぐための手だてを考えさせてくれる本。これだけだと絶望的な気分になりそうですが、本の中では起きてしまった大惨事だけでなく、起きるはずの大惨事を未然に防いだ人たちについても触れられているので、人間もそんなに捨てたものではないと思えます。常に最悪の場面をシミュレーションし、それに備えておくことがいかに大切かが分かりました。そういう意味では、自分の仕事にもフィードバックできる本です。
■最近読んだ本5:「人生は勉強より『世渡り力』だ!」 岡野雅行著 ☆☆☆☆
ご存じ「痛くない注射」を発明した下町の名物職人、岡野さんが自分の処世術を書いた本。要は「仕事でやりたいことがあるんだったら、はずがしがらずに自己アピールして、自分で自分をちゃんとそこに導けよ」という本なのですが、仕事でやりたいことがようやくはっきりした今の自分には、とてもフィットする本でした。岡野さんも「フェラーリと鉄瓶」の奥山さんもそれぞれの本で共通して言っているのが、「沈黙は悪」だということ。せっかく一度きりの人生なのだから、後悔のないよう、勝負所では自分の意見をきちんと言い、戦っていこうと決意した次第です。平易で面白い内容なので、1時間半で一気読みしました。
愛しのマイカー、C4のスペシャルサイトができました。なかなか本格的にできてますので、ぜひご覧あれ。
カエルもいい味出してます。
経済産業省が子供の事故をなくすために作ったサイトをご紹介します。私がこのサイトを知るきっかけとなった5月19日付の毎日新聞の記事によると、20歳未満の子供の死亡事故で最も多い原因が転落や誤飲などの「不慮の事故」だそうで。
サイト内の「家庭内事故予防コンテンツ」では、リアルなCGで不慮の事故の再現を見ることができます。うちの子も倒れたり、イスから落ちたり、何度か冷汗をかいているので、こういう映像を見ると改めて気をつけなければ、と思います。
とくに新米パパやママは、こんなところも危険なのかと知っておくと、良いのではないでしょうか。
アドレスはwww.kd-wa-meti.comです。せっかくのお役立ちサイトなのに、アドレスの意味がよく分からないのがチョット残念ですが・・・。
ぜひご覧あれ。
ブラバム、アロウズ、ミナルディ・・・。F1墓場へと旅立たれた歴代チームの中に、ついにスーパーアグリの名が記されることになりました。
でも冷静に考えてみれば、政治やスポンサー、国内の経済状況など清濁併せ飲むこの世界で2年プラス4戦、チームとして存続できたことの方が奇跡だったのかもしれません。しかもポイントまで獲得して・・・(泣)。
行き場を失った琢磨の行方が心配ですが、こういう時こそ世界の中で彼がどんな評価を受けていたのかが分かる、チャンスでもあります。
基本的な速さはあるし、どんな状況でも見せ場が作れる数少ないエンターテイナードライバーですから、きっとどこかが拾ってくれることでしょう。
バブルや破滅や、時には死さえ飲み込みながらも突き進んでゆくF1サーカス。
最後にその異常な世界に果敢に挑み、散っていくスーパーアグリにF1エンジンが奏でる鎮魂歌を送ります。ルノーのだけど(笑)。
あ、ルノーに琢磨行くのはどうかな?ピケジュニアの代わりに・・・。
はぁ。
最近2~3度、1歳半の息子をベビーカーに乗せてふたりきりで出かけることがあった。ママと出かける時は感じなかったのだが、東京の街の不便なこと。
たとえば年明けに「大ロボット博」を見に出かけた国立科学博物館。昔の建物に取ってつけたようなエレベーター配置で、あっちへ行ったり来たり。おまけにアシモのショーをみる会場では、8段ほどの階段を降りなければいけなかったのだが一切の補助はなし。係員に真顔で「(ひとりで)階段降りてってください」と言われ、困りながら降ろしていたらようやく手伝ってくれたり。おまけにバイトとおぼしき係員さんの指示があやふやで、言われたとおりにベビーカーをおいたら観客の通路をふさいでしまい、文句言われたり。
もうひとつ、新幹線への乗り換え。いつもなら間に合う時刻に東京駅についたのに、目の前の階段を避けてスロープへ迂回したり、エレベーターを探しているうちに乗り遅れてしまいました。矢印や地図の表示も訳が分からず…。
私は体力もそれなりにあるので何とか乗り切れましたが、こんな過酷な状況を東京のママたちは生きていたのかと思い、愕然としました。
なぜこんなに不便なのかというと、多分こういった公共物をデザインしたり、選んだりする人たちが実際ベビーカーや車イスで不便な思いをしたことがないからでしょう。
今子供がいる年ごろのパパたちは、これからそういう立場になってゆく人たちが多いと思うので、是非一度、ママに頼らずベビーカーで街に出かけて、いろいろと感じていただきたいと思いました。
■「案本 ~『ユニーク』な『アイデア』の『提案』のための『脳内経験』~」 ☆☆☆☆ 著者:山本高史
コピーライターとして超有名な著者が、たぶん初めて(?)本格的に自己の企画プロセスを開示してくれた一冊。時おりレトリック過多で分かりずらいところもあるけれど、企画をやる人なら誰でも無意識にやっている思考のプロセスをきちんと言語化してくれているので、締切や巨大プロジェクトによるプレッシャーで基本を忘れてしまいそうな時にもそばに置いてあると、仕事を助けてくれそうな一冊です。
広告の対象となるものと、それを見つめるアングルをどう組み合わせ、絡み合わせてゆくか。目先の「インパクト」や「ユニーク」に逃げずにそのプロセスを誠実に行うことが、クライアントや消費者にとって「実のある」提案を行うことにつながるのだ。
なるほど。やっぱりどの世界でも、一流の人は基本をしっかり守っている。
いい勉強をさせていただきました。
わ、指突き浣腸!あれヒットすると痛いんで... read more
on 面白そうなブログパーツなので、貼ってみました。